記事詳細

【長田昭二 ブラックジャックを探せ】大腸がんに挑む 化学療法で日本を代表するスペシャリスト (1/2ページ)

 ■がん研有明病院院長補佐・消化器化学療法科部長山口研成さん(55)

 「子供のころ小児ぜんそくだったので、喘息を治す医師になりたかったんです。ところが大学で内視鏡の実習をした時、当時の教授から『君はスジがいいね』とおだてられて、消化器内科に進んでしまった…」と笑う山口研成医師。がん研有明病院消化器化学療法科部長であり、消化器がんへの化学療法の領域で日本を代表するスペシャリストだ。

 32歳で自衛隊医官を辞め、移籍先の埼玉県立がんセンターでは多くの臨床試験を実施。現在標準治療になっているさまざまな化学療法の土台を築いた。

 かつて大腸がんは、化学療法が最も苦手とするがんだった。

 「当時はまさに“敗戦処理”のような役割でした。ところが新薬開発が続く中で“中継ぎ”のような立場に変わり、時には勝ち星を挙げられるケースも出てきた。隔世の感があります」と振り返る。

 現在も新薬開発に向けた治験を積極的に進める。

 「僕がどんなに頑張っても1年で診られる患者さんの数は300人が限度。でも、効果のある新薬ができれば、桁違いの患者さんを救うことができる。やりがいも大きいですよ」

 研究を突き詰めたい、という思いが強すぎると、時として何のための研究なのか、を見失うことがある。あくまで患者のための研究、であることを意識し、バランスを保つことの大切さを、若い医師たちに伝え、自分自身にも言い聞かせる。

関連ニュース