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【黒田尚嗣 世界遺産旅行講座】現代によみがえる「トロイの木馬」の教え トルコの世界遺産「トロイの古代遺産」 (1/2ページ)

 感染拡大している新型コロナウイルスと同様にやっかいなウイルスとして「トロイの木馬」があります。正しくはウイルスではなく、悪質ではないソフトウエアと見せかけて、パソコンに侵入するソフトウエア「マルウェア」の一種ですが、ウイルスと同じように有害なものであることは間違いありません。これはギリシャの実話「トロイ戦争」で使われたわなの装置「トロイの木馬」が元となって命名されたものです。

 この戦争の舞台となったホメロスの叙事詩「イリアス」に描かれたトロイの遺跡はシュリーマンが1870年から本格的な発掘調査を行い、その地層の違いから、トロイが紀元前3000年から何世紀にもわたって何回か都市が建設されてきたことを発見しました。

 そして、彼は一番深い地層の部分を第1市と名付け、第2市では「プリアモス(トロイ最後の王)の財宝」を発掘し、第七市までを見極めました。

 1882年からはドイツの若手考古学者ヴィルヘルム・デルプフェルトも加わってさらに発掘が進み、シュリーマン亡きあとはデルプフェルトによって、ここがホメロスの「イリアス」に描かれたトロイであることが立証され、今日では「トロイの考古遺跡」として世界遺産に認定されています。

 トロイ戦争はトロイの王子パリスがスパルタ王メネラオスの妃で絶世の美女ヘレネを奪ったことから始まり、メネラオスの兄アガメムノンを大将にギリシャ軍がトロイ軍を攻撃した戦いです。そしてなかなか陥落できなかったトロイを破るためにギリシャ軍のオデュッセウスが考えた策が「トロイの木馬」作戦だったのです。

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