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【長田昭二 ブラックジャックを探せ】美しい女性の手を守るため治療の選択肢を増やす (2/2ページ)

 一方で、冒頭で触れた中高年女性の手指の変形やこわばりを、女性ホルモンの視点から解析し、効率的な治療法や予防法を実践している。

 「閉経によって女性ホルモンの分泌量が減ることで手指の変形や痛みが出ることが多い。そこで研究してみると、女性ホルモンと似た構造の“エクオール”というタンパク質を摂取することで、症状を改善できることが分かったのです。手術をする前にまずこれを試してみて、それでもだめなら手術をすればいい。治療の選択肢が増えれば、患者さんは侵襲度の低い治療から受けられます」

 日本人女性は、65歳になると91.5%が手の関節に変性を生じるという。手術の名手だからこそ勧める保存的治療は、真の意味での「患者目線の治療」と言えるのだろう。 (長田昭二)

 ■平瀬雄一(ひらせ・ゆういち) 1956年、愛知県生まれ。82年、東京慈恵会医科大学卒業。86年、米デービスメディカルセンター留学。93年、同客員教授。97年、慈恵医大柏病院形成外科診療医長。2000年、埼玉成恵会病院形成外科部長(埼玉手の外科研究所)、10年から現職。日本手外科学会認定専門医・理事、日本形成外科学会認定専門医、皮膚腫瘍外科分野指導医、日本マイクロサージャリー学会評議員他。

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