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【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】地元消費75%、ハイレベルな地酒 栃木県「開華」 (2/2ページ)

 島田社長は、大手ビールメーカに勤めた後、平成4年に蔵へ戻って来た。まず着手したのは普通酒をやめ、全量特定名称酒にすることだった。それは地元の人に、おいしいお酒を飲んでほしいという熱い思いからで、けしてスペックを上げて儲けようという気持ちからではない。だから当時3~4割を占めていた地元向けの旧二級酒を、すべて本醸造に変えたのだが、価格はほとんど変えず、一升1600円から1660円にしただけだった。

 「たしかに経営的にはめちゃくちゃ厳しかったですよ。ただ栃木県は、宇都宮から北は、栃木放送で下野新聞(の地元志向)。でも、南は東京と同じで言葉も標準語なんです。だから地元でも、東京で通用するものをつくっていかなければと思ったのです」

 おかげで地元に根ざした高品質の開華は、東京でも「リーズナブルで旨い」と評価が高まる結果になった。しかし順調な経営に危機が訪れたのは、昨年10月のことだった。

 ■江口まゆみ 酔っぱライター。世界中の知られざる地酒を飲み歩き、国内でも日本酒、焼酎、ビール、ワイン、ウイスキーのつくり手を訪ねる旅を続ける。大人気のラブコメ漫画『酒と恋には酔って然るべき』(秋田書店)の原案を担当。

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