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【黒田尚嗣 世界遺産旅行講座】海と山、生命の循環! 海洋が入った初の自然遺産「知床半島」 (1/2ページ)

 私と同じ三重県出身で、旅の達人といえば、『奥の細道』で有名な松尾芭蕉を連想する人が多いと思いますが、北海道の命名者である松浦武四郎も偉大な旅人です。

 彼は6度にわたる蝦夷地(北海道)の探査を行い、アイヌの人々の協力を得ながら、蝦夷地の詳細な記録を残していますが、中でも彼の『知床日誌』には、アイヌ語の地名、伝説に関する詳細な記述のほか、知床の生態系についても記された部分があり、興味深い内容となっています。

 「知床」の名前の由来は、アイヌ語の「突き出した地」、「地の果て」を意味する「シリ・エトク」とされ、地形や環境が人を寄せ付けなかったので、太古からの自然が残り、絶滅危惧種など希少な動植物が生息していることから、世界自然遺産に登録されました。

 この北海道北東部に突き出した知床半島は、斜里(しゃり)町と羅臼(らうす)町にまたがる大地とその沿岸の海(7万1100ヘクタール)を含み、これは海洋が入った初の自然遺産で、現在4つある日本の自然遺産(屋久島、白神山地、知床、小笠原)の中でも最大の広さです。

 太古からの手つかずの自然には、ヒグマやエゾシカなど野生動物が多く生息し、神様が手をついた跡と伝えられる知床五湖や、知床最大のオシンコシンの滝、「乙女の涙」の愛称があるフレペの滝、そして温泉が楽しめるカムイワッカの滝など、知床八景と呼ばれる景観は神秘的な美しさです。

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