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【松浦達也 肉道場入門!】名店が放つ幻のサクサク「カツ丼」弁当! 東京・高田馬場「成蔵」 (1/2ページ)

★打倒!コロナ編

 少し前まで「行列」は店の価値を推し量る指標だった。だが、いまや行列は並ぶ者の民度を量る指標になった。価値とは移ろうものなのだ。

 かつて東京・高田馬場で日本一長い行列のできる、絶品とんかつ店として知られた「成蔵(なりくら)」。昨年、南阿佐ヶ谷に移転し、とんかつを提供する一軒家レストランとして再出発した。

 時節柄、最近はランチ時のとんかつ弁当の販売に徹していたが、4月の中旬から幻のメニューが弁当として復活した。「カツ丼」である。

 成蔵では創業からしばらくの間、カツ丼を提供していたが、行列店になり、手数のかかるカツ丼はいつしかメニューにその名を見なくなった。

 この店のカツは花の咲いたような白い衣をまとい、分厚く、それでいて柔らかさも備えている。

 弁当とはいえ、カツ丼の復活はファン(僕)にとって欣喜雀躍である。もっとも“弁当”となると、一抹の不安もよぎる。あのサクサクと軽い衣が煮込まれ、時間を置いたときにどうなるのか…。

 だがそれは完全なる杞憂だった。ずしりと重いカツ煮の一片を持ち上げると、とろりと半熟に仕上げられた溶き卵の内側から煮ダレの沁みた香ばしい衣が顔を覗かせる。

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