記事詳細

【がんを死滅させる「第2のメス」の実力】針に高圧電流を流し、細胞を叩く “第2のメス”の治療法「ナノナイフ治療」 (1/2ページ)

 針を刺して高圧電流でがんを死滅させる「ナノナイフ治療」が、昨年7月、肝がんに対する先進医療として認められた。ナノナイフ治療は穿刺(せんし)局所療法と呼ばれ、他にもラジオ波焼灼療法、マイクロ波凝固療法、凍結療法がある。これらは言わば針による“第2のメス”の治療法だ。その実力とはいかなるものか。専門医に話を聞く。

 ナノナイフ治療(以下=IRE)は、直径1・1ミリ、長さ15センチの細い針を2~6本、肝がんを囲むように刺す。そこに3000ボルトの高電圧電流を1万分の1秒流すことで、がん細胞にナノメートル(10万分の1ミリ)の穴を開け、死滅させる。「がん細胞にナノメートルの穴を開けるナイフ」がIREの名称の由来だ。

 「IREは、当院で2014年に初めて肝がんに行ってから臨床試験を重ねてきました。すでに肝がんで保険適用されているラジオ波焼灼療法とは異なる仕組みなので、新たな展開が期待できると思っています」

 こう話すのは、東京医科大学臨床医学系消化器内科学分野の杉本勝俊准教授。先進医療の肝がんに対するIREの臨床研究を進めている。

 ラジオ波焼灼療法(RFA)は、直径1・18ミリの電極針を肝がんに刺し、AMラジオと同じような周波数の約450キロヘルツの電流を流す。針の周辺に熱が発生して肝がんを焼いて死滅させる仕組みだ。日本では2004年に肝がん治療のひとつとして保険適用された。「3センチ以下」「3個以下」など、がんは小さいけれども肝硬変などで手術が難しい場合に、RFAは第2のメスとして威力を発揮している。

関連ニュース