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【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】台風19号直撃も、地元民に支えられ復活! 栃木県「開華」 (1/2ページ)

 開華は栃木県最古の蔵、第一酒造が醸す佐野市の地酒。75%が県内消費で、その3分の2は地元佐野で飲まれている。そのため全国的な知名度は低いが、リーズナブルで品質の高い、酒通には知られた銘酒だ。

 早くから全量特定名称酒とし、全国新酒鑑評会での金賞受賞歴も多数。最近リリースした山田錦の純米大吟醸は、精米歩合50%なので米の味わいがしっかり。大吟醸らしい甘みはあるが、酸もあるのでバランスが素晴らしく、後口はスッキリとキレる。この旨さで4合瓶2000円以下というから、その安さに二度ビックリだ。

 2014年に導入した遠心分離機で搾った純米吟醸プレミアムは、透明感がありつつ複雑味もあり、芯に塩味や渋みを感じる独特の味わい。遠心分離機は使い方が難しく、これにかければ即旨い酒ができるというものではないのだが、開華は使いこなしている感があり、酒通も納得の出来映えだ。

 この開華に危機が訪れたのは、昨年10月12日のこと。台風19号が直撃し、蔵からわずか300メートルしか離れていない、秋山川の堤防が決壊したのだ。酒づくりのシーズンが始まり、さあこれからというタイミングだった。水の被害以上にひどかったのが、蔵が埋まるほど流れ込んだ泥被害。それを手作業でかき出したのが、のべ600人もの地元ボランティアだった。

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