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【がんを死滅させる「第2のメス」の実力】痛みがほとんどなく負担がより少ない! 針の先端でがんを凍らせる「凍結療法」 (1/2ページ)

 針を刺して高周波の熱などでがんを死滅させる穿刺(せんし)局所療法。前回まで肝がんに対する「第2のメス」を紹介した。今回は、2011年から保険適用になった腎がんに対する「凍結療法」を取り上げる。

 直径約1・5ミリの針を腎がんに刺し、アルゴンガスで針の先端に超低温のアイスボールを作り、10~15分程度かけてがんを凍らせる。その後、5分かけて解凍した上で、再び10~15分凍結して解凍し、がん細胞を死滅させる治療法だ。凍結、解凍、凍結、解凍を繰り返すことで、より広範囲のがんを死滅させることができるという。

 「ラジオ波焼灼療法やマイクロ波焼灼療法は、熱を発する治療のため痛みが伴いますが、凍結療法は痛みがほとんどないことが利点です。患者さんへの負担がより少ないのです」

 こう話すのは、国立がん研究センター中央病院IVRセンター長の曽根美雪医師。凍結療法はもとより、ラジオ波焼灼療法やマイクロ波焼灼療法を含む第2のメスの治療を数多く行い、応用研究や治療の発展にも尽力している。

 「古代エジプト時代から『冷やす』ことが、痛みを和らげるというのは知られていました。痛みのない凍結療法は、腎がん以外にもっと応用できるのではないかと思っています」

 近年、凍結療法はさまざまながんでの研究が進んでいる。がんを凍らせて死滅させるがん治療のみならず、がんの再発転移に伴う激しい痛み、疼痛(とうつう)緩和でも、海外では応用されている。痛みのない凍結療法は、痛みが伴うラジオ波焼灼療法などよりも、患者にとってはメリットが大きい。

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