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【BOOK】かつてはヒット商品がなくてもどんどん売れていたが…アパレル業界「栄枯盛衰」の真実 黒木亮さん『アパレル興亡』 (1/3ページ)

 華やかな世界の裏側でうごめくドロドロした陰謀や欲望…。かつて学生の就職希望先でも、高い人気を誇ったアパレル業界の栄枯盛衰を、黒木亮さんが渾身(こんしん)の取材と筆力で浮き彫りにした異色の経済小説だ。(文・梓勇生/写真・松井英幸)

 --なぜアパレル業界に関心を

 「きっかけは20年ほど前に起きた、婦人服メーカーと村上世彰(よしあき)氏率いるファンドとの間で起きたプロキシーファイト(株主総会での委任状争奪戦)でした。当時、私は村上さんと会って話を聞いたり、株主総会にも出席したりもしたのですが、あいまいな決着になったので小説にはできなかった。改めて再取材を始めたのが約5年前。アパレル業界は奥が深くて広がりがあって結局60人くらいから取材しましたね」

 --業界の栄枯盛衰が大きなテーマ

 「(アパレル業界は)常に新しいブランド、ヒット商品を生み出さねば倒れてしまう『流行り廃り』の商売ですが、昭和40年代ごろまでは“衣料の西洋化”によって、そういうことをしなくてもどんどん売れた。ところが、追い風がなくなってバブル崩壊後にはダメになり、多くのメーカーがなくなっていったのです」

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