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【BOOK】確実に“世界の変容”受け入れている自分がいる… ヒーローとは一番恐ろしい人 村田沙耶香さん「丸の内魔法少女ミラクリーナ」 (1/3ページ)

 作家業の傍ら、コンビニでのアルバイト体験をもとに書いた『コンビニ人間』で第155回芥川賞を受賞。幅広い層の支持を集めて爆発的な売り上げを記録する作家の最新短篇集が上梓された。8年かけて「小説野性時代」に掲載された4篇をまとめた本書は、村田沙耶香という作家自身の変容を読むことのできる、クロニクル的な1冊となっている。(文・たからしげる 写真・佐山順丸)

 --目を惹くタイトルです

 「広い意味でのヒーローを書いてほしいという編集部からの依頼だったのですが、私自身もずっと前から、大人になっても少女時代の魔法遊びを続けている女性の小説を書きたかったので、打ち合わせの時点から、それを書きたいと、とっさに考えました。大人になっても魔法少女のままだけど、それが決して現実逃避ではなく、痛くて笑われるようなものでもなく、むしろ現実を生きていく上で前向きな作用をしている、そういう小説がどこかに存在していてほしいと、ずっと考えていたかもしれないです」

 --村田さんに取ってヒーローとはどんな人

 「危うい存在だと思っています。どこかの集団で勇気を与えたり、先頭に立って戦ったりしている人を、多くの人はなんとなくヒーローだと思いますが、逆の側から見ると、一番恐ろしい人でもあると思うので。現実に私がヒーローだと思うのは、そのことを承知の上で、静かに考え続けている人です。思考停止をしない人ですね。そういう人に昔から憧れています」

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