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【BOOK】本物より夢中にさせてくれた“7年ぶりの恋愛” 小手鞠るいさん『私たちの望むものは』 (1/3ページ)

 『欲しいのは、あなただけ』など恋愛小説の名手として知られる小手鞠るいさん。昨年は『ある晴れた夏の朝』で小学館児童出版文化賞を受賞するなど児童文学にも活躍の場を広げている。7年ぶりに恋愛小説『私たちの望むものは』を上梓した。(文・井上志津)

 --『美しい心臓』以来7年ぶりの書き下ろし恋愛小説ですね

 「『星ちりばめたる旗』『炎の来歴』などアメリカと日本、戦争と平和をテーマにした作品にかかりっきりになっていて、間が開いてしまいました。その間も構想は温めていたのですが」

 --ストーリーは最初から決まっていましたか

 「割とかっちりと決まっていました。2人の登場人物が現在と過去を、アメリカと日本を行き来しながら、互いの人生と恋愛を語りつつ進んでいく万華鏡のような物語。苦労したのは語り手となっている『僕』の人物造型でした。彼の性格や、彼を千波瑠にとってどんな存在にするか、それを思いつくまで試行錯誤しました」

 --主人公は50歳の女性、千波瑠です

 「千波瑠はノートの1ページ目に言葉を書き残します。『もう若くない きれいでもない ある朝、鏡を見てそう思ったとき 人生は終わっているのだろうか』。アメリカでは50歳の女性は『若い女性』なんですよ。でも悲しいかな、日本ではそうはいきません。日本社会の女性に対する年齢差別にはかねてから閉口しています。女性は年を重ねるごとに成熟し、美しくなっていくんだよというメッセージを込めて千波瑠という女性を描きました」

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