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【食と健康 ホントの話】がんより怖い「薬剤耐性菌」 加熱処理した乳酸菌で対策 (1/2ページ)

 新型コロナウイルス感染症の治療薬として、他のウイルス性感染症(インフルエンザやHIVなど)の既存薬(抗ウイルス薬)が転用・承認されたり、候補に上がったりしている。

 抗ウイルス薬はこのように、新薬を含めて次々と開発されてきている。それに対して、細菌の増殖を抑える抗菌薬(抗生物質)は、開発が頭打ちになっている。ご存じのように、ウイルスと細菌は大きさや仕組みが違うため、ウイルスに抗菌薬は効かず、逆も然りだ。

 抗菌薬は抗ウイルス薬より歴史が古く、多くの薬が開発されてきたが、ここのところ新薬は現れていない。その大きな理由の1つは、投資に見合った収益が出にくくなってきていることがある。開発には莫大なコストがかかるが慢性疾患の治療薬に比べて投与期間が短く、また耐性菌を生じないよう使用に制約がかけられる、などのためだ。

 そもそも、なぜ薬剤耐性菌ができるのだろうか。何らかの方法で薬剤耐性を得た細菌は、通常の生物のように、その情報(遺伝子)を親から子に受け渡す。しかしそれだけでは、世界中で薬剤耐性菌が蔓延することの説明がつかない。

 昭和大学病院外科学講座小児外科の千葉正博准教授によると、抗菌薬の耐性化に関与するのは「プラスミド」だという。細菌のDNAは、染色体上にあるものと、プラスミドと呼ばれる染色体外にあるものの2種類がある。

 「プラスミドとは、染色体の外にある遺伝物質の総称です。この中には、耐性をもつ遺伝子と耐性をもたない遺伝子があります。通常は、耐性をもっている遺伝子をもたない細菌が、それをもっている細菌と、まず初めに接合を起こします」

 接合とは、くっついた細胞間で遺伝物質を伝達することだ。

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