記事詳細

【S列車で行こう シルバーマル“得”ぶらり歩き】外出自粛中のおすすめ本 謎のウイルスによる「日本社会の分断」描いた『BABEL バベル』 (2/2ページ)

 あまり詳しくストーリーを紹介すると興ざめなので、後はお読みいただきたい。ただ、新型コロナウイルスをめぐるさまざまな動きを見ていると、この小説が描く究極の分断社会も決して絵空事と思えない気がしてくるから不思議だ。

 ウイルスへの恐怖からか、感染者や医療従事者を差別する動き。観光地に来ないでと訴える首長たち。自治体の休業要請にもこたえず営業を続けたパチンコ店と列をなすお客たち。海を埋め尽くすサーファーたち…。小説で最後に明らかになる究極の“感染症対策”を生む人間の弱さと希望について考えさせてくれる。コロナ危機に立ち向かう参考になる。(いくちゃん)

 【パンデミックテーマの原点】日本SFの古典、小松左京著『復活の日』(1964年)は日本のパンデミックテーマの原点といえる。細菌兵器として開発されたウイルスが人類を絶滅の危機に追い込む。生き残ったのは各国の南極基地の隊員などわずかな人たち。果たして、人類に明日はあるのか? フィクションには面白さばかりではない危機に対応する力があると思うので、この原点的作品もおすすめしたい。

関連ニュース