記事詳細

【BOOK】舞台は地上に残された唯一の謎の領域「深海」 代表作「ホワイトアウト」と対をなす作品 真保裕一著『ダーク・ブルー』 (1/3ページ)

 人間が体験する「極限状況」の描写では一頭地を抜く江戸川乱歩賞、山本周五郎賞作家の真保裕一さん。その最新刊は、舞台を地上に残された唯一の謎の領域「深海」に設定。代表作『ホワイトアウト』と対を成す「絶体絶命」をキーワードとした作品が仕上った。(文・たからしげる 写真・浜村達也)

 --本作を書こうと思ったのは

 「あるニュースをきっかけに海洋開発研究機構の存在を知り、生来の野次馬根性が刺激されたのです。早速、調査してみたところ、深海調査船に行き当たりました。そのニュースは、本編のクライマックスにも盛りこんだつもりです」

 --物語の着想は

 「当初は、船長をリーダーとするチームワークの物語を考えていました。が、支援母船が外部に委託されていると知り、取材後に軌道修正。狂言回しの役として、変わり者の奈良橋教授というキャラを捻出したのです。女性の潜航士がいることも知って、シージャック犯と2人きりで潜水艇に乗りこめば、犯人の置かれた状況もリアルに実感できそうなので、そのシーンを書きたいと思いました」

 --取材時点で特に印象に残ったことは

 「予想外にガードが堅く、何度か足を運びました。さるミステリ作家が、海洋開発研究機構を悪役にした(と彼らは思っている)作品例があったからでした。潜航士が八面六臂(ろっぴ)の活躍をするストーリーだと熱意を持って伝えたところ、隅から隅まで見学させていただきました。感謝です」

関連ニュース