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【ドクター和のニッポン臨終図巻】拉致被害者家族会初代代表・横田滋さん あの優しい笑顔の裏にどれほどの憤りと強さがあったか… (1/2ページ)

 サザンオールスターズのアルバム『葡萄』の中に「Missing Person」という曲があります。

 「北風 激しい雨 孤独な夜に耐えて絶望の海を越え」というフレーズが印象的なサビ。せつなく哀しくも、力強く歌い上げる桑田佳祐さん。サザンのコンサートで初めてこの曲を聴いたとき、最初は何について歌っているのかわかりませんでした。

 でも…「必ず最後は逆転勝利へ」で歌詞は終わり…もしやこれは? と首を傾げたラスト。桑田さんはこうシャウトしました。「Megumi come back home to me!」

 そういうことか…気がつけば拳を振り上げながら涙が溢れていました。歌詞の中には、「北朝鮮」も「拉致」という言葉もないけれど、これは桑田さんが、横田めぐみさん親子に捧げた歌だったのです。

 カムバックホーム! 海の向こうにいる最愛の娘に向けて、43年間も祈り続けていためぐみさんの父で拉致被害者家族の会の初代代表であった横田滋さんが、6月5日に川崎市内の病院で亡くなりました。享年87。その病室には、めぐみさんの写真が3枚飾られていたそうです。

 多くのストレスを抱えながら講演を続けていたことも関係しているのでしょう、晩年の横田さんは数々の病気に見舞われました。

 2005年に血栓症血小板減少性紫斑病という血液の難病を発症、奇跡的に回復したものの、2年後に胆のう摘出手術。このとき家族会代表を退任しました。

 そして一昨年よりパーキンソン病のため入院、リハビリを続けていたそうです。しかし死因は、「老衰」との発表でした。眠るような穏やかな最期だったようです。

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