記事詳細

【ここまで進んだ最新治療】狭心症を超音波で治す新療法「超音波血管新生療法」に期待 3年後メドに保険適用目指す (1/2ページ)

 狭心症は、心臓の筋肉に酸素や栄養を送る冠動脈が、動脈硬化で狭くなる病気だ。治療は、「薬物療法」、狭くなった血管に網目状の金属の筒(ステント)を留置する「カテーテル治療」、血管を手術で移植する「バイパス手術」がある。しかし、これらの従来の治療法では十分な効果が得られない重症例も少なくない。

 そこで新しい治療法として期待されているのが「超音波血管新生療法(超音波治療)」。2014年から東北大学を中心に全国10施設で治験が行われ、今年8月末にはデータの第一報が報告される予定だ。代表研究者で東北大学客員教授と国際医療福祉大学大学院副大学院長を務める下川宏明教授が説明する。

 「超音波治療は、『低出力パルス波超音波(LIPUS)』という特殊な条件の超音波を、機器を使って体の外から心臓に照射する治療法です。この超音波の刺激によって、心臓の血管内皮から血管新生を促進する複数の物質が分泌され、新しい血管ができて血流が改善するのです」

 LIPUSによる血管新生の作用は、心筋の血流の悪い部分にだけに反応し、正常な部分には何ら影響を与えないという。治療時は麻酔や鎮静剤などを使う必要はなく、1回あたりの超音波の照射時間は約1時間。1日おきに3回行い1クールとし、その有効性を検証している。治療は、治験では入院で行っているが、安全性が高いので将来的には外来で行えるという。

関連ニュース