記事詳細

【黒田尚嗣 世界遺産旅行講座】マオリ族が守り続けた三火山がそびえる聖地 ニュージーランド「トンガリロ国立公園」 (1/2ページ)

 ラグビーニュージーランド代表のオールブラックスが国際試合前に舞うハカ踊りは、マオリ族の民族舞踊で、本来は相手を威嚇する舞いですが、感謝と敬意を表す踊りといわれています。そのマオリ族の聖地とされるのが、ニュージーランド北島中央部にあるトンガリロ国立公園です。

 この公園は周辺のロトルアからタウポなどの町も含め、大地熱地帯と呼ばれる火山活動が盛んな地域にあり、世界的にも珍しい景観が見られることと、先住民のマオリ族の聖地であった文化的背景から、世界複合遺産として登録されています。

 ニュージーランドの先住民マオリは、北島の最高峰であるルアペフ山を筆頭に、ナウルホエ山、トンガリロ山の3つの山に畏怖の念を抱き、この山々にこそ「タープー」が宿っていると考えていました。

 タープーとは「聖なるもの」「荘厳なるもの」という意味で、19世紀後半、ヨーロッパ人が入植し、土地が都会と農地に分割されるようになると、マオリの人々は3つの山に宿るタープーが損なわれることを恐れました。

 そこで、当時の首長ホロヌク・テ・ヘウヘウ・トゥキノ4世は、入植者による乱開発を防ぐために、自分が預かっていた山々のタープーを、英連邦のビクトリア女王に譲り、1887年、3つの山々とその周辺の土地を保護区として、ニュージーランド政府と国民に託したのです。

関連ニュース