記事詳細

【BOOK】朝ドラ「エール」真実の物語 父・裕而と母・金子の青春紐解く 古関裕而さん『君はるか―古関裕而と金子の恋』 (1/3ページ)

 この春から始まったNHK連続テレビ小説『エール』。モデルとなったのは「闘魂こめて(巨人軍の歌)」や「六甲おろし(大阪タイガースの歌)」などで知られる作曲家の古関裕而。若き日の妻、金子(きんこ)との恋物語を長男の正裕さんがひもといた。(文・高山和久 写真・渡辺照明)

 --父の古関裕而さんと母、金子さんは“文通結婚”

 「父と母が文通で交際をして結ばれたという話は知っていたのですが、実際に手紙を見たことがありませんでした。きっと両親は他人には見せたくなくて大切にしまい込んでいたんですね。父が亡くなり資料を整理しているとき、タンスの引き出しの奥から『死後開封のこと』と書かれた袋が出てきたんです。開封すると50通あまりの手紙が残されていました。膨大にあったらしい手紙の中で、父から母あてのものは、内容によっては母が焼きもちを焼き夫婦げんか。その末に手紙を焼いてしまってほとんど残っていません」

 --本作は、約4カ月の熱烈な文通に焦点を当てた

 「2009年が裕而の生誕100周年、時系列で整理を始めて手紙に目を通すと、全く知らない両親の姿を発見しました。夢と理想と現実との板挟みの中での、悩みながらの恋愛。80年、90年前でも若者の恋愛事情は変わらない。普遍性のある物語じゃないかなと。文通だけの遠距離恋愛なので『君はるか』というタイトルにしました」

 「手紙の中にハートマークのイラストが入っているものもあり、2人の熱烈な気持ちが感じられました。物静かな父は内面には燃えるものを持っているとは思っていましたが、手紙を読んでいるうちにその情熱を目の当たりにしました。父が国際作曲コンクールで入選。英国への留学を一時は具体的に考えていたなど、チャレンジに満ちた考えも浮かびあがってきました」

関連ニュース