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【BOOK】「見た目」で人生が大きく左右されると、気にするように… 興味のない私が美容整形を書く 湊かなえさん『カケラ』 (1/3ページ)

 多くの人が「見た目」にこだわるのはなぜなのか? ミステリー文芸界をリードする、脂の乗り切った人気作家・湊かなえ氏の最新作は、美容整形をテーマに人間、特に女性の容姿をめぐる固定観念をあぶりだした心理ミステリーだ。 (文・たからしげる 写真・天日恵美子) 

 --本書のテーマである美容整形に関心を持ったのは

 「雑誌『小説すばる』に連載の前でした。担当編集者が全員女性で、どんな作品を書きましょうかという話になったとき、美容整形が話題になりました。それまで興味のない分野でしたが、一方で、世間ではとても支持されているところもあるので、興味を持っていない私がこの世界を書けば、興味のある人さえ気がつかなかったものが見えてくるのではないか、と思いました」

 --人が「見た目」を気にするのはなぜでしょう

 「見た目によって損をしたり得をしたり、人生や生活が大きく左右される出来事に遭遇したりすると、気にするようになるんだと思います。よくも悪くも、他者から自分がどう見られているかを意識している人は多いはず。私の場合は、作家になってからの生活の影響か、一時、ずいぶん太りましたが、自分の書いた本が評価していただけるなど、容姿など見た目以外のことで夢中になれることがあって、あまり気にしたことはありません」

 --それでも作品は、多くの人がこだわる、人の外見の「美しさ」について書かれています

 「本能的なものもあるでしょうが、後付けのものもあって、例えばテレビや映画で美しい人、かっこいい人のイメージが頭の中に刷り込まれ、自分の中で作り上げている部分ってありそうですね。その時代ごとの流行りもありますし。人間の機能の中に、美しいものを決める基準はもともと備わっているのかもしれませんが、世間で作られたこうした美も影響を与えているといった感覚は強くあります」

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