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【BOOK】「見た目」で人生が大きく左右されると、気にするように… 興味のない私が美容整形を書く 湊かなえさん『カケラ』 (3/3ページ)

 --登場人物はみな幸福を追求しますが、湊さんにとって「幸せ」とは

 「自分を作らなくても、相手に形を合わせなくても、ありのままの自分を受け入れてくれる人がいて、そうした場所があるということ。生きていく中で、家庭であったり職場であったりですが、そこでゆったりと落ち着くことができれば、幸せなんだと思います」

 ■『カケラ』集英社、1500円+税

 美容外科医の橘久乃は、久しぶりに訪ねてきた幼なじみから「やせたい」という相談を受ける。カウンセリングをしているうち、小学校時代の同級生・横網八重子の思い出話になった。八重子には娘がいて、その娘は、高校2年から徐々に不登校になり、卒業後、大量のドーナツがばらまかれた部屋で自殺しているのが見つかったという。娘は母が揚げるドーナツが大好きで、それが原因で激太りしたともいわれていた。少女はなぜ死を選んだのか? その謎解きが、久乃の懊悩の始まりだった。

 ■湊かなえ(みなと・かなえ) 1973年、広島県生まれ、47歳。2007年『聖職者』で小説推理新人賞を受賞、受賞作を収録した『告白』でデビュー。同作で09年本屋大賞を受賞。12年『望郷、海の星』で日本推理作家協会賞短編部門、16年『ユートピア』で山本周五郎賞を受賞。18年『贖罪』が米国のミステリー界で最も権威のあるエドガー賞の候補となる。その他の著書に『夜行観覧車』『白ゆき姫殺人事件』『母性』『山女日記』『リバース』『未来』『落日』など多数。

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