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【BOOK】日本に求める高度な外交戦略 21世紀の「天下三分の計」を参考にすべき 石平さん『石平の裏読み三国志』 (1/3ページ)

 ドナルド・トランプ大統領は“悪の論理”を肯定した曹操(そうそう)、習近平国家主席は、優柔不断な袁紹(えんしょう)。そして日本は諸葛孔明(しょかつこうめい)の天下三分の計を参考にすべき…。気鋭の中国ウオッチャー、石平さんが、三国志のヒーローたちになぞらえて現代の国際政治をぶった斬る。(文・南勇樹  写真・萩原悠久人)

 --なぜいま三国志か

 「最近の中国の情勢を見ていると、いずれ大乱世が来ると思う。世界全体を眺めてもそうです。その時代をどう生き抜くか、と考えるときに、同じく大乱世であった『三国志』の時代に通じるものが多いと思いました。小説である『三国(志)演義』よりも、正史の『三国志』を改めて読み返し、自分なりに感じたことを書いたわけです」

 --魏の曹操は悪人・敵役のイメージが強いが

 「(その前の)漢の時代の思想・儒教を否定し『悪の行動原理』『力の論理』で権力を握ってゆく。宦官(かんがん)の孫(養子)というハンデを跳ね返して這い上がり、“姦雄”と呼ばれたことをむしろ喜んだという人物です。半面、大局観を持ち、人材活用にも優れていた。現在の中国でも特に庶民の中では聖人君子のような劉備(りゅうび)よりも曹操の人気が高い。迫力があって個性豊かな曹操のキャラが好かれるのです」

 --トランプ大統領は曹操に似ている

 「トランプ大統領もワシントンの(政治家の)本流ではありません。それまでの米大統領像やスタイルを打ち壊し、力の論理を掲げた点も曹操と似ています。ただ、トランプ氏には大義が感じられない。『アメリカ・ファースト』だけでは世界がアメリカに求める役割は果たせない。また、気に入らないと、すぐ閣僚をクビにするようでは曹操の人材活用術には及びもつきませんね」

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