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【食と健康 ホントの話】上部消化器がん、術後の栄養障害対策を (1/2ページ)

 食道がんや胃がんなどの、上部消化器の手術後、退院後に食事ができなくなったり、食事量や体重が落ちたりしてしまう人は多い。多くの場合は、手術前の体重の7~8割程度までは戻ることが多い。しかしそれまでどのくらいの時間がかかるのか、あるいは食事前後に発生しやすい体調不良がどれくらい続くのかなどは、個人差がある。

 上部消化器がんの術後入院中の栄養管理については、研究・進歩がめざましい。そのため、とくに問題がない限りは患者側としては任せておいても大丈夫だ。しかし、退院後の栄養管理に関してはあまり進歩していないと、田無病院(東京都西東京市)院長で、消化器外科専門医の丸山道生医師は言う。

 「食道がんの手術や胃がんの全摘手術をした場合、食べたものがたまる胃がなくなるので、食事量が落ちます。食道がんの手術時には、小腸にチューブを通してそこに栄養を送る『腸ろう』を造設します。それを使って手術直後は栄養を摂ってもらいます。これは退院後も自宅で使っていただけますので、患者さん本人の栄養補充のためにも、ご家族の負担軽減にもなります。不要になればすぐに取れて傷もふさがりますので、食道がん手術後の患者さんだけでなく、胃を全摘した患者さんにもすすめられます」

 しかし、胃がん全摘手術中に腸ろうを造設する病院は多くないという。内視鏡治療など、低侵襲で、そもそも治療後の栄養に影響が出にくい治療法に注力しているためだが、それでも一定数の患者には開腹手術が必要だ。

 乳がんなどを除き、がん手術後5年が経過すれば完治とみなされる。しかし、胃がん全摘後6~10年も、ダンピング症候群(食べ物が短時間のうちに小腸に流れ込むことで起こる、上部消化器手術後に多い後遺症)を経験する人もいるという。

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