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【週末、山へ行こう】雪渓を登り詰め、高山植物の楽園へ 北アルプス・白馬岳(長野~富山) (1/2ページ)

 夏山シーズン到来。標高3000メートル級の山々は、そろそろ高山の花々が見頃を迎える。高山植物が好きなら絶対に訪れたい花の名山のひとつが、北アルプス・白馬岳だ。高山植物の宝庫として知られ、約800種類もの植物が見られるという。そのなかには、シロウマアサツキ、シロウマタンポポなど「白馬」の名がついた植物や、白馬岳周辺でしか見られない固有種もある。

 登山を始めたばかりの頃。登山経験は浅いけどどうしても白馬岳で花を見たいと思って、ガイド登山に申し込んだ。「白馬岳の高山植物、見頃なのは梅雨時なんですよ」とガイドさんに教えてもらい、7月の上旬に歩いた。

 猿倉から入山し、白馬尻で初めて軽アイゼンを装着し、緊張しながら大雪渓を登った。雪渓の上のほうは傾斜がきつくてだいぶ難儀した。白馬岳から朝日岳へと縦走したが、梅雨時らしいぐずついた天気で、稜線(りょうせん)を歩いているときには雨風に見舞われた。とはいえガイドさんのおかげでなんとか歩くことができた。

 正直、歩くことにいっぱいいっぱいで、花をじっくり味わう余裕はなかった。それでも、見頃を迎えたウルップソウが一面に咲いていたとか、朝日岳の周りでハクサンコザクラを見たとか、ところどころをいまだに思い出す。

 それから10年以上たち、拙著『アルプスはじめました』(実業之日本社)の取材で、夏の白馬岳に再び訪れた。とても天気がよく、雪渓を登り詰めるとたくさんの高山植物が出迎えてくれた。今なら分かる。ハクサンイチゲ、ミヤマキンバイ、ミヤマオダマキ、ハクサンチドリ…。百花繚乱(りょうらん)、花風景を満喫した。同行したカメラマンが「とっておきの撮影ポイント」として教えてくれたのが、白馬岳から小蓮華岳に向かう途中。白馬三山を背景に咲き誇るハクサンイチゲのお花畑を目の前に、カメラマンの脇で夢中でシャッターを押したのだった。

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