記事詳細

【コロナも重症化 糖尿病は“万病の元”】偏った食事で発症する非アルコール性肝炎「NASH」 肝がん発症のリスク高まる (1/2ページ)

 暑気払いなどで飲酒の機会が増える時期は、肝機能の低下に注意が必要だ。そこで、今回は2型糖尿病と非アルコール性肝炎(NASH=ナッシュ)について考えたい。

 多量飲酒をしなくても、C型やB型の肝炎ウイルスに感染していなくても、偏った食事で肝臓に脂肪がたまり、炎症を起こして肝細胞が変性していくのがNASHである。その発症と2型糖尿病の関係するメカニズムが、昨年2月に明らかになった。

 「肝臓の小胞体という細胞内の小さな器官では、食事の度にタンパク質が合成されています。質の悪いタンパク質も作られますが、正常な状態では分解されます。肥満やインスリン抵抗性があると、この仕組みが上手く働かず、2型糖尿病や脂肪性肝炎の発症リスクが高くなるのです。そのメカニズムが私たちの研究でわかりました」

 こう話すのは、国立国際医療研究センター研究所の植木浩二郎糖尿病研究センター長。糖尿病に関する数多くの研究を行っている。

 インスリン抵抗性は、食後高血糖や肥満に伴い、インスリンの作用が低下した状態。肥満とインスリン抵抗性があると、肝臓の「Sdf2l1」という分子が減少し、質の悪いタンパク質の分解がうまくいかなくなる。結果として、2型糖尿病やNASHになるという。

 「肝炎は肝がん発症のリスクを高めます。肝がんの原因の第1位はC型肝炎ですが、C型肝炎の治療の進歩で肝がんになる人は減少しています。逆に増えているのが、NASHによる肝がんなのです」

関連ニュース