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【BOOK】バカでワルで正直…「現代じゃ大切な生き方じゃないか」 青春の“カッコ悪さ”描く 北野武さん『不良』 (1/3ページ)

 筆名を昨年10月、『純、文学』(河出書房新社刊)から本名に変え、本格小説家宣言した北野武さん。今回、高度経済成長期の昭和を舞台にした青春アウトロー小説『不良』を発表。ドライな視点で描ききった本作の魅力を存分に聞いた。(文・岸川真 写真・海野健朗)

 --笑いや暴力、友情など北野ワールド炸裂の一冊でした

 「これまで純文学雑誌『文藝』(河出書房新社)に、俺の自伝的小説「足立区島根町」や「浅草迄」を載っけてもらってたんだけど、『不良』はちょっと(純粋自伝的小説ではなく)視点をズラしたんですよ。足立区四中時代に出会ったスゲえ同級生をモデルに、そいつが極道になってたら? と想像も加えてみたの。そいつはケンカだけじゃなく、スポーツをやらせても絶対敵わないって相手に思わせる、アスリートみたいな男だったんだ。俺が眩しいって思うくらい輝いてたのに、才能を開花させず、ただの不良のまま死んじゃったの。俺が大学生の頃だったかな」

 --主人公のキーちゃんは実在したんですね

 「小説の中で野球をキーちゃんがやるでしょ。野球なんてロクにやったことがないのに打たせても、投げさせても一流以上にやれる。だけど、そんな彼は根っからの不良なわけ。しかも普通のワルガキじゃない。サバンナに生きる動物の群れで、トップを取るために相手構わず噛みつくような野獣みたいなもの」

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