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【追跡!心臓の肥満】“心臓の肥満”中性脂肪蓄積心筋血管症はナゼ起こるのか 原因の一つとして、中性脂肪分解酵素の遺伝的欠損が関連 (1/2ページ)

 ヒトの体を動かし養う主要なエネルギー源は、糖質(ブドウ糖)と脂質(脂肪酸)だ。臓器の中では、脳はブドウ糖を多く消費し、心臓と肝臓、筋肉(骨格筋)は、脂肪酸を多く消費する。

 心臓を動かす主要なエネルギー源になるはずの脂肪酸が、代謝されずに心筋や冠動脈の細胞にたまってしまい、重度の心不全、不整脈、虚血性心疾患などになってしまう病気が、中性脂肪蓄積心筋血管症(TGCV)である。

 いわゆる「心臓の肥満」の状態になる原因の1として、中性脂肪分解酵素(ATGL)の遺伝的欠損が関連していることが特定されている。大阪大学大学院医学系研究科内科学講座循環器内科学の平野賢一医師は、TGCVの分類として、この遺伝的欠損がある場合は「原発性」、ない場合は「特発性」としている。

 「原発性の患者さんは現在、日本で10人、海外で15人程度です。残念ながらその25人のうち10人が亡くなっています。特発性の患者さんは、日本では216人です。海外はまだこの診断ができないので不明です」

 症状は少し違う。原発性の患者は、心臓と骨格筋に障害が現れ、特発性の患者は、心臓の筋肉と血管が障害される。

 「原発性の人は心不全に加えて、手足の力が弱くなる(筋力の低下、ミオパチー)、ということが起こります。特発性の方は、心不全、狭心症、心筋梗塞がメインの症状になります」

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