記事詳細

【週末、山へ行こう】賽の河原に並ぶ小さなお地蔵様 南アルプス・鳳凰三山(山梨県) (1/2ページ)

 南アルプスは「玄人向けの山域」という勝手なイメージがある。北岳や甲斐駒ケ岳など南アルプス北部の山々は標高が高く険しい、南部の山々は山容が大きく奥深くなかなかたどり着けない(すべて私の勝手な意見)。実際、南部の山々は訪れたいと思いつつなかなか叶わずにいるし、北部の山は「よし!」と思い立って頑張らないとたどり着けない。

 そのなかでも、比較的やさしく受け入れてくれるのが南アルプス北部に連なる鳳凰(ほうおう)三山。地蔵岳、観音岳、薬師岳の三山の総称だ。最も標高が高いのは2841メートルの観音岳だが、三山を代表するピークは、オベリスクと呼ばれる岩塔が特徴的な地蔵岳だろう。オベリスクの基部、賽の河原には小さなお地蔵様がたくさん並び、独特の雰囲気をかもし出している。このお地蔵様たちは「子授け地蔵」と言われ、地蔵を持ち帰って祀ると子宝が授かり、授かったらお礼参りをして2体奉納する、という風習があったという。

 稜線(りょうせん)に出るまではうっそうとした深い森の中の急登を詰めていく。三山を結ぶ稜線は花崗(かこう)岩で、白い砂地が広がっているところもある。砂浜のような真っ白な稜線にハイマツなどの灌木(かんぼく)が茂っていて不思議な雰囲気。晴れた日は陽光を浴びて砂地がキラキラと輝く。夏にはタカネビランジなど珍しい高山植物も多く見られ、足元を注意深く眺めるのも楽しみだ。

 山麓や他の展望地から歩いた山を眺めるのも登山の楽しみのひとつだが、鳳凰三山は比較的「見つけやすい」山だ。中央本線の道中から、あるいは中央自動車道を走っていると、南アルプスの山々が眺められるが、鳳凰三山はオベリスクが目印となり、分かりやすいのだ。ああ、あの稜線を歩いたんだな、気持ちよかったなと思い出すのが楽しい。

関連ニュース