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【マンガ探偵局がゆく】ライターに転職する娘を応援したい! フリーで生きる28歳描いた尾瀬あきら「みのり伝説」 (2/2ページ)

 クライアントや取材先、ライバルとのいざこざ。私生活では失恋、不倫の恋などを経験しながらも、書くことに喜びを見いだし前向きに生きていくみのりの姿は、発表媒体が男性向けコミック誌だったにも関わらず、同世代の女性たちから多くの共感を呼んだ。

 作品のために尾瀬がヒントにしたのは、いまは日本酒文化の伝道師として活躍するライターでエッセイストの藤田千恵子が書いたエッセイ集「愛は下克上」(ちくま文庫)。さらに尾瀬は多くの女性フリーライターから取材したエピソードを作品に盛り込んだ。

 取材依頼が電話だったり、執筆に使っているのがワープロ専用機だったり…時代を感じさせる部分もあるが、組織に属さずに働くことの難しさと喜びを知るにはとても良いマンガだ。これをお嬢さんに贈って欲しい。

 ■中野晴行(なかの・はるゆき) 1954年生まれ。フリーライター。京都精華大学マンガ学部客員教授。和歌山大卒業後、銀行勤務を経て編集プロダクションを設立。1993年に『手塚治虫と路地裏のマンガたち』(筑摩書房)で単行本デビュー。『謎のマンガ家・酒井七馬伝』(同)で日本漫画家協会特別賞を受賞。著書多数。

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