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【橋本医師が挑む! あきらめない膵臓がん治療】膵臓がんの早期発見につながる可能性 進化する発見技術「リキッド・バイオプシー」 (1/2ページ)

 「5年生存率はステージIで肺がんで71・2%、乳がんでは95・2%に達するが、膵臓(すいぞう)がんは39・9%とがんの中でもっとも予後(生存期間)の悪いがんとなっています」

 国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)の肝胆膵内科の橋本裕輔医師は、がん診療連携拠点病院等院内のがん登録生存率(2019年)のデータを示しながら説明する。

 「膵臓がんの早期発見の検診は存在しないのが現状なんです」

 国の推奨するがん検診は胃、子宮頸部、乳房、肺、大腸のみ。がんの発見が遅れれば、予後も悪くなる。

 そこで橋本医師は早期発見につながる可能性がある検査方法に注目する。その一つがリキッド・バイオプシーと呼ばれる検査方法だ。リキッドとは液体、バイオプシーとは生検の意味。

 「この場合の液体は血液、尿、唾液などで、この体液サンプルを用いて、がんの超早期発見を可能にし、がんの詳細な遺伝子情報も入手できる画期的な医療技術です」(橋本医師)

 その中でも血液の中を循環する腫瘍の遺伝子情報である「ctDNA」やタンパク質を制御している20塩基程度の短い核酸分子である「マイクロRNA」がポイントとなる。「ごく少量の血液を採取するだけでこれらの検査が可能になります。研究は最終段階に来ています」

 早期発見には、リスクファクター(危険因子)を見つけることも重要という。膵臓がんに特有な傾向があるのは、「糖尿病の発症またはコントロール不良」「慢性膵炎」「膵嚢胞(すいのうほう)」などの因子だ。

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