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【マンガ探偵局がゆく】「馬場対猪木戦」を読む? 板垣恵介の格闘技マンガ「グラップラー刃牙外伝」 (2/2ページ)

 格闘技マンガの第一人者・板垣は、実際に馬場と猪木が持てる技とパワーを惜しまずに戦えば、こういう対戦になる、という力技の応酬をリアルにそして躍動的に描ききっていく。読者は間違いなく、斗羽vs猪狩戦ではなく、馬場vs猪木戦として脳内変換するはずだ。かつての依頼人がそうだったように…。

 「プロレスラーは技を逃げちゃいけない!!! 敵の攻撃は全て受けてみせる!!! それがどんなに危険な技でも……受けきってみせる!!!」などなど、セリフも泣かせる。プロレスファンなら震える名言のオンパレードだ。

 ネタバレになるので詳しくは書かないが、ラストシーンがいい。ここでもプロレスファンの夢を実現してくれる。

 単行本は99年に秋田書店から全1巻で出ている。その後、コンビニ向け廉価版単行本にもなっているが、現在はいずれも品切れ。ただし、アマゾン・キンドルの電子書籍版でなら読むことができる。

 ■中野晴行(なかの・はるゆき) 1954年生まれ。フリーライター。京都精華大学マンガ学部客員教授。和歌山大卒業後、銀行勤務を経て編集プロダクションを設立。1993年に『手塚治虫と路地裏のマンガたち』(筑摩書房)で単行本デビュー。『謎のマンガ家・酒井七馬伝』(同)で日本漫画家協会特別賞を受賞。著書多数。

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