記事詳細

【食と健康 ホントの話】「ウイルス感染予防」と「腸内細菌叢」の関係 腸内細菌と粘膜免疫系が影響し合うことにより… (2/2ページ)

 その両者を併用することを、シンバイオティクスという。プロバイオティクスとプレバイオティクスを同時に摂取することで、プロバイオティクスの増殖を促し、消化管内での高い菌数を維持して、ヒトへのより強い効果を期待するものだ。

 プロバイオティクスには、腸管粘膜での免疫を介して、宿主の自然免疫および獲得免疫に働きかけ、感染症の発症や重篤化を抑える作用などがあると考えられている。

 例えば、消化器症状を呈する感染症の例として、ほとんどの子どもが感染し、下痢を起こすロタウイルス感染症がある。これに対してのプロバイオティクスの効果について、外科医であり、周術期感染症と栄養の研究者でもある田無病院(東京都西東京市)の丸山道生院長に説明してもらった。

 「ロタウイルス感染の防御には、分泌型IgA(免疫グロブリン=粘膜表面に分泌される抗体)が消化管内のロタウイルスと結合し、消化管上皮への吸着を阻止することで、発症を抑制できると考えられています。現在まで、乳酸杆菌やビフィズス菌をはじめ、いくつかのプロバイオティクスの効果が認められており、下痢期間の短縮や、血中の抗ロタウイルスIgA産生細胞の増加、便中のロタウイルス検出率の減少などが認められています」

 次回は、プロバイオティクスの上気道感染の予防や症状の長期化抑制効果、重症患者への効果について説明する。(医療ジャーナリスト 石井悦子)

関連ニュース