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【心理カウンセラー舟木彩乃が読み解く コロナと不安】感情を吐露できる環境と雰囲気作りが大切 (1/2ページ)

 いったん落ち着いた新型コロナ感染者数が再び増加に転じている。3密を避けて自粛努力をしてきた人たちから「あの努力は何だったのか」という落胆の声が聞こえるが、この落胆は“怒り”の感情に近いのかもしれない。

 第1回は、感染者数が増加傾向に転じている中で行なわれた選挙の事例を紹介したい。Aさん(男性30代)は、37度を超える熱と倦怠感が10日以上続いていたにもかかわらず、選挙活動に従事していた。

 しかし、体力的につらくなってかかりつけの病院を受診したところ、PCR検査を受けるよう促されたという。

 Aさんはそこで初めて、選挙事務所のスタッフにメールでそれまでの経緯を説明し、最後に「自分は選挙活動と近場での外食しかしていないのに、主治医からコロナを疑われ驚いています。急遽、PCR検査を受けることになりました」と書いて送信した。

 この選挙事務所では、できる限り3密(密閉・密集・密接)を回避し、スタッフにはマスク着用やアルコール消毒などを徹底させていた。「体調を崩したら無理せず休む」ということも共有していたはずだった。

 メールを受け取ったスタッフたちは、Aさんを「自覚無き加害者」だと思ったそうだ。自分達は気をつけていたのに濃厚接触者になるかもしれないという戸惑い。それとともに、Aさんに対して「なぜ休んでくれなかったのか」「それだけ行動していたら感染する可能性は十分あるのに」「選挙活動できなくなる」などという“怒り”が噴き出した。

 “怒り”は、ネガティブな感情という印象があるが、この感情は人間が持つ防衛本能でもある。心理学では“怒り”は二次感情と言われていて、怒りの感情が発生する前には、“不安”や“つらい”といった不快な一次感情がある。

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