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【心理カウンセラー舟木彩乃が読み解く コロナと不安】仕事の要求度高く裁量度少ない職場…「高ストレイン群」に注意! (2/3ページ)

 そのたびにAさんは、「オーナーは一生懸命で周りが見えなくなっているのだから仕方がない」などと捉えるようにして乗り切ってきた。

 新型コロナの拡大で売り上げが激減し、お店全体が不安に包まれていた頃、Aさんが濃厚接触者となった。極力気をつけて生活していても、不可抗力で濃厚接触者となることはある。Aさんが電話で濃厚接触者となったことをオーナーに伝えたところ、「どうしてくれるんだ、店をつぶす気か!」と怒鳴られたという。

 Aさんは、オーナーについていって良いものか、この会社で働きがいを見いだして自分が成長できるのか疑問に思い始めた。「従業員とともに成長する」というスローガンがウソっぽく思えてきたのだ。

 筆者が実施した調査研究によると、「会社から大切にされている」と思えない人は、仕事に意味を見出せず、「仕事はたいへんだったが、成長できた」というような“帳尻合わせ”ができなくなる。大切にされない状況ではストレスが増すばかりで、仕事のためのモチベーションが持てないからだ。

 Aさんは、仕事のやり方を任せてもらえない会社では成長は望めないと思ったそうだ。

 産業心理学で有名なJDCモデル(Job Demands Control Model)によると、仕事の要求度(事業主から求められる仕事の量や質)と裁量度(どの程度、任せてもらえるか)で、ストレスの度合いは変わってくる。

 仕事の要求度が高く、かつ裁量度が少ない職場は、最もストレスを感じやすい「高ストレイン群」と呼ばれている。

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