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【食と健康 ホントの話】研究が進む「感染症予防と善玉菌摂取」 腸内細菌のバランスを改善させる「プロバイオティクス」 (1/2ページ)

 咳やのどの痛みといった上気道の症状が現れ、重症化すると下気道に症状が及び、肺炎になることもある上気道感染症。インフルエンザや風邪などのことだが、多くはウイルスによって引き起こされる。

 上気道感染症の感染予防や重症化予防の1つの方法として、プロバイオティクス(善玉菌摂取)による研究が多く行われてきている。

 例えば、次の3つの効果が確認されている。

 (1)デイケア施設に通う高齢者の有病期間の短縮効果(2)持久系のスポーツ選手(激しい運動は免疫機能が低下しがちなため)での上気道感染症の罹患数と罹患回数の低減効果(3)高齢者施設入居者の発熱日数の短縮効果。

 インフルエンザに感染した場合、腸内細菌のバランスが崩れることがわかっている。同様に新型コロナウイルスに感染した場合も、腸内細菌に変化が現れることが報告されている。そのため、腸内細菌のバランスを改善することで重傷化が防げる可能がある。

 外科医で栄養学の研究者でもある田無病院(東京都西東京市)の丸山道生院長は、プロバイオティクスの可能性についてこう説明する。

 「腸内細菌のバランスを改善させる方法の1つ、プロバイオティクスは、行き過ぎた免疫反応(サイトカインストームなど)、低すぎる免疫状態(感染しやすくなるなど)を適切な状態に保つことができると考えられています」

 ただし、臨床的なエビデンスの高い研究はまだないため、可能性があると言える段階だ。

 「現在までのプロバイオティクスと免疫の関係で、解明されているメカニズムには次のものがあります。全身免疫系では、NK細胞の活性が上がります。粘膜免疫系では、B細胞によって唾液中や消化管中に分泌されたIgA抗体が増加する、などです」

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