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【ここまで進んだ最新治療】「手術しない」鼓膜の再生療法が保険適用に 聴力の回復は圧倒的に向上 (1/2ページ)

 慢性中耳炎や外傷などによって鼓膜が破れて、穴が開いたまま塞がらない人がいる。このような「鼓膜穿孔(せんこう)」があると聴力が低下するだけでなく、中耳炎になりやすくなる。

 鼓膜の穴を塞ぐ治療は、これまで手術療法しか選択肢がなかった。局所麻酔か全身麻酔をかけ、耳の後ろを切開し、鼓膜の代わりとなる筋膜などの組織を採取して移植するのだ。

 それが、手術をせずに外来の比較的簡単な処置で鼓膜穿孔を治す画期的な治療法が、昨年11月に保険適用になった。薬剤を使って破れた鼓膜を再生させる「鼓膜再生療法」だ。この治療法を開発した北野病院(大阪市北区)耳鼻咽喉科・頭頸部外科の金丸眞一部長=顔写真=が説明する。

 「処置にかかる時間は20分程度。3~4週間後に再度、外来に来てもらい鼓膜の上にできたかさぶたを除去し、再生を確認したら終わりです。ただし、炎症や感染で耳垂れを起こしている場合や、ヤケドや放射線治療などによる鼓膜穿孔は対象外になります」

 鼓膜再生療法の治療の流れはこうだ。麻酔薬を浸した綿を耳穴に入れて麻酔をかけ、鼓膜穿孔の縁を切り取り除去する。そして、細胞を増殖させる薬剤(細胞増殖因子)を含んだゼラチン製のスポンジを穴に詰め、医療用の生体接着剤で固定して終了。

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