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【BOOK】たくさんの人に読まれる怖さも…請われるままに書く 第163回芥川賞受賞・高山羽根子さん (1/3ページ)

 沖縄を舞台にした作品で第163回芥川賞受賞を射止めた。3度目の候補だった。SF作家としても知られる高山羽根子さん。新型コロナウイルス禍での受賞となったが、多忙の中、作風などを語ってもらった。(文・竹縄昌 写真・渡辺照明)

 --受賞おめでとうございます。エッセーの依頼も増えたそうですが

 「受賞という一つの事象について何度も同じことを書かないよう、被(かぶ)らないようにあれこれ書いてみたりしてました。今回は(新型コロナ禍で)受賞記者会見にしても、またその後の取材でもリモート取材もありましたし、例年とは違うんだろうなと思いますし」

 --選考会でも日本文学振興会がコロナ対策に神経を使っていました

 「私が初めての候補だったら、そういうことがわからないままだったかもしれないのですが、前に経験がある分、周囲の皆さんが手探りでもすごく気を使っていることがわかりました。こんな中で選んでいただいたのだから頑張らなくちゃ、という気持ちがすごく湧いてきました」

 --作家としては今回の事態をどのように

 「私は小説の出発点がSFだったこともあるので、不謹慎な言い方をしたくはないですが、今は世界の人々がある意味近しい体験をしているということを感じます。これまでのSARS(重症急性呼吸器症候群)にしてもエボラ出血熱にしても、アジア、アフリカでの発症という地域的なところがあったのに、今回は、全世界が影響を受けて、リモートワークなどが広がり、生活も全く変わりました。そうすると私小説的な心の動きにも影響が出てきたり、同時にSFの世界でも考えること、想像力の広がりがたくさん出てきました。作家だけでなく、美術関係など表現活動の面で大きな動きがありますね」

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