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【進化する腸内細菌医療】潰瘍性大腸炎の治療・解明はどこまで進んでいるのか 産学協同で研究進め (1/2ページ)

 食生活が乱れると、腸内細菌叢(そう=多種多様な細菌の集まり)が乱れ、病気につながる。そのひとつである潰瘍性大腸炎に対し、新たな治療法として「抗菌剤併用便移植療法」の研究が進んでいる。

 この新治療、健康な兄弟姉妹(同世代)の腸内細菌叢を移植することで、長期的な効果が得られることを前回紹介した。親から子へ、といった世代が異なる便移植では効果は得られにくい。では、兄弟姉妹で腸内細菌叢が似ているのに、なぜ、潰瘍性大腸炎になる人と、ならない人が、家族内に生じるのか。

 「潰瘍性大腸炎の発症誘因は、ストレスや生活環境の変化などが重なり、家族であっても、個人ごとに影響の受け方が異なると考えられます。ストレスや食変化などで、どのように腸内細菌叢が変化するのか、それを最終的には明らかにしたい」

 こう話すのは、順天堂大学大学院医学研究科消化器内科学講座の石川大准教授。2014年から「抗菌剤併用便移植療法」の研究を開始し、さまざまな研究成果を上げている。そのひとつとして、便移植療法が有効な人には、主なヒト腸内細菌の1種である「バクテロイデス門」が関わることを明らかにした。

 便移植後にバクテロイデス門が増えると、治療効果が上がるのだ。さらに、バクテロイデス門や、その他の細菌グループがどのように変化すると、潰瘍性大腸炎になるのかなど、腸内細菌叢の変化を解析して研究を進めている。一方、さまざまな病気と腸内細菌との関連についても、研究を進行中だ。

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