記事詳細

【進化する腸内細菌医療】便から生み出す健康社会 ベンチャー企業も研究に参画 (1/2ページ)

 病気予防や診断・治療に、大きな可能性を秘める腸内細菌叢(そう=多種多様な細菌の集まり)に取り組む医療の最新事情を紹介してきた。それらの研究を一気に飛躍させる軸になっているのが、2015年、研究者たちが設立したベンチャー企業「メタジェン」である。

 便から得られる腸内細菌叢の遺伝子解析と、それらの代謝物質の解析を合わせた「メタボロゲノミクス」という技術を基盤とし、独自の研究開発支援を企業に提供することで、さまざまなジャンルの研究を手掛けている。

 「企業との連携を進めながら『腸内デザイン市場』の共創を目指しています。現在、参加企業は約40社に増え、食品関係の企業が多いが、異分野の企業も参画しており、さまざまなプロジェクトに取り組んでいます」

 こう説明するのは同社の取締役CFOの水口佳紀博士。東京工業大学大学院生命理工学研究科で、再生医療に使用される生体材料を開発するなど、研究に取り組むうちに腸内細菌の研究者たちと出会い、「メタジェン」の創業者のひとりとなった。

 「私たちが目指しているのは、『便から生み出す健康社会』です。個人によって異なる腸内環境の研究を進めることで、健康状態や病気により増減する腸内細菌やそれに関わる代謝物質、それらを変化させる食材なども明らかにしたいと思っています」

 同社の技術を駆使することで、(1)どのような細菌がどのくらいいるか(2)それらの細菌が腸内でどのような代謝物質を産生しているか-がわかる。データベースの構築で、将来的に大腸がんをはじめとした病気の診断に活かせる可能性がある。

関連ニュース