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【BOOK】交通事故の不条理さや怒り…「加害者のリアル」に迫る 薬丸岳さん『告解』 (1/3ページ)

 気鋭のストーリーテラー、薬丸岳さんの小説がタダで終わるはずがない。意外過ぎる結末にビックリ。タイトルに繋がると悟ってニヤリ。犯罪と贖罪(しょくざい)をテーマに描く新作は“二度おいしい”。(文・梓勇生 写真・酒巻俊介)

 

 --飲酒運転のひき逃げ死亡事故を起こした20歳の大学生が主人公。実際の事件も参考に

 「年配者が起こした事故が相次いだり、悪質な“あおり運転”が話題になったことは頭にありました。交通事故に関しては、法改正によって多少は厳罰化の流れが進んではいるものの、裁判の判決を見ると、遺族や被害者が納得しがたいほど刑が軽かったり、執行猶予がついたりするケースは少なくありません。加害者にとっても交通事故は過失というか、『自分はそんなに悪いことはしていない』と言いやすいところがあります。そういう不条理さを感じていたのは事実ですね」

 --小説では、主人公は実刑判決で服役。家族は離散してしまう

 「罪を犯したら、自分が刑務所に入るだけじゃなくて、家族や知人にまでいろんな影響を及ぼすことになってしまう。今は服役よりもネットで叩かれることの方が怖い、という人もいます。そういった『加害者のリアル』を描きたかった」

 --結末の「告白」が衝撃的

 「僕は、書きながら考えることが多い。ストーリーも思いつきでどんどん変わっていくのですが、この作品に限っては結末も含め、一晩くらいで話の核が決まりました。(結末につながる)『告解』というタイトルも、日本人にはなじみが薄い言葉かもしれませんが、内容に一番近い。自分がしてしまったことは、きちっと正直に話すべきじゃないか…その『良心』がテーマです」

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