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【ぶらり、ぶんがく。本と歩く】「六文銭」ひるがえる実りゆたかな土地 池波正太郎『真田太平記』 長野県上田市・池波正太郎真田太平記館 (2/2ページ)

 上田駅前から北国街道へ伸びる大通りの、緩やかな坂道を登っていくと、池波正太郎真田太平記館がある。取材ノートや関連作品の年表、連載時の挿絵などを展示。直木賞受賞作の『錯乱』など「真田もの」を多数執筆した池波は、その集大成として『真田太平記』を書き上げた。取材で何度もこの地を訪れた池波は「上田の町を思うことは、私の幸福なのである」とエッセイに記したそうだ。

 上田盆地という〈信濃の国の中でも屈指の実りゆたかな土地〉に城を構え、街を広げて、商工業を発展させる。そう構想した昌幸は、ただの戦上手ではなく、傑出したリーダーシップを持つ人物として描かれる。池波作品の人物像、歴史観は多くの支持を集め、400年後の今も、街のあちこちに真田の旗印「六文銭」がひるがえっている。(阿蘇望)

 ■池波正太郎真田太平記館 長野県上田市中央3の7の3、電話0268・28・7100

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