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【食と健康 ホントの話】必要で安全な食品添加物を正しく理解 (2/2ページ)

 同じく登壇者で、慈英会病院(東京都足立区)在宅部栄養課課長の中村育子氏は、食品添加物の必要性について次のように説明する。

 「生活習慣病の患者様には、減塩が必要。(食品添加物によって味を良くし)おいしく食べられる工夫の1つとして大切です。糖尿病患者様には、砂糖の代わりに甘味料をとってもらうと、満足感を得られます」

 高齢者にとってはさらに、食欲の維持は切実な問題だ。「高齢者は、フレイル(虚弱)、低栄養の問題があります。よい香りや色は、食欲を維持するためにとても重要です」

 さらには、コロナ禍で買い物に出られない在宅の高齢患者にとって、保存料は必須の添加物となる。「すぐに悪くなってしまっては困りますし、悪くなったことがわからずに食べてしまい、食中毒になってしまうこともあります」

 必要かつ安全が担保されている食品添加物だが、過去についた悪いイメージはいまだに払拭されない。その大きな理由の1つとして、間違った科学が流布されていることがある、と唐木氏。

 「微量で、ヒトの添加物の量として何の作用もないものを、実験動物に多量に与えるといろんなことが起こります。だから『人間にも同じことが起こるはずだ』というように飛躍した論理で危険性を説く人がいますが、それは間違いです」

 ちなみに、薬の多剤併用(ポリファーマシー)で起こることがある、相互作用による体の不調と同様のことは、「量がまったく違うので起こらない」(唐木氏)とのことだ。 (医療ジャーナリスト 石井悦子)

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