記事詳細

【週末、山へ行こう】今も噴煙を上げ続ける上高地のランドマーク 焼岳(長野・岐阜県) (1/2ページ)

 初めて上高地を訪れたのは約20年前。上高地バスターミナルに向かうバスが釜トンネルを抜けたとき、左手に大きな山がそびえているのが見えた。うっすら噴煙が上がっている。これが焼岳か。思ったより近くて大きくて驚いた。

 上高地の入り口、大正池の西側にそびえる焼岳は、今も活発に活動する火山。露出した岩肌やどっしりした山容、そして山頂付近からたなびく白い煙が目を引く。大正池越しの焼岳の姿はポスターや絵はがきなどでもおなじみだが、大正池も大正時代の焼岳の噴火によって梓川がせき止められてできたものだ。北峰と南峰を持つ双耳峰だが、現在山頂に立てるのは北峰のみ。南峰は山頂一帯が立ち入り禁止になっている(2020年9月10日現在)。

 その後仕事で、あるいは槍ケ岳や穂高岳に向かうために上高地を訪れるようになり、そのたびに焼岳に出迎えてもらった。焼岳に登ったのは6年前の秋。上高地からひとりで山頂を目指した。夜行バスに乗り、上高地に降り立った人はたくさんいたが、焼岳に向かったのは私ひとりだった。登り始め、早朝のササやぶは静かで、笹が風に揺れると「クマ!?」とおびえた。入り口に掲げられていた熊出没注意の看板が頭にちらつく。ある意味この登山でもっとも緊張を強いられた箇所だった。

 森林限界を超え、景色を楽しみながら山頂へ。山頂近くでは噴気が思ったよりも激しく上がっていて、足早に通り過ぎる。天気のよい日で、山頂には多くの人が思い思いの時間を過ごしていた。穂高連峰、槍ケ岳、笠ケ岳、周囲の高峰が間近に大きく眺められて嬉しくなる。

関連ニュース