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【食と健康 ホントの話】万病のもと「肥満」と「肥満症」の違いとは? (1/2ページ)

 肥満は万病の元。しかし、かなり太っていても健康診断でほぼ問題のない人もいれば、少し太っただけでいろいろな数値が悪化してしまう人も。これはどう考えればよいのか。名古屋市立大学肥満症治療センターの田中智洋副センター長に、第52回日本動脈硬化学会での講演内容を元に話を伺った。

 まず肥満の定義から。肥満とは、脂肪組織に脂肪が過剰に沈着した状態で、BMI(体格指数[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗])が25以上(日本)のものだ。

 脂肪組織とは、脂肪細胞がブドウの房状に集まってできている組織で、体内最大の臓器とも言われている。脂肪細胞は、一般的な細胞と比べると大きく、しかも細胞質(細胞の内側)の大半は油滴(細胞内にある脂質の貯蔵場所)が占める構造をしている。

 脂肪細胞は、この油滴に脂質を貯め、必要なときには取り出す「倉庫」の役割をしている。また、この20年の研究の進歩により、脂肪細胞は多種多様なホルモンや生理活性物質を分泌することで、全身の代謝をコントロールしていることがわかってきた。

 次は「肥満症」について。簡単にいうと、肥満は医療の対象外で、肥満症は医療の対象になる状態だ。具体的には、BMI25以上で、肥満に起因・関連する11の健康障害(糖尿病、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症・痛風、冠動脈疾患、脳梗塞、脂肪肝、月経異常、睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群、整形外科疾患、肥満関連腎臓病)が1つ以上ある場合に診断される。

 とりわけ、腹部CT検査で測定した内臓脂肪面積が100平方センチメートル以上の内臓脂肪型肥満である場合は、健康障害を発症しやすく要注意だ。BMI35以上の高度肥満である場合には高度肥満症と診断する。

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