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【長田昭二 ブラックジャックを探せ】35年間ウイルスと格闘する 東京慈恵会医科大学・ウイルス学講座教授、近藤一博さん (1/2ページ)

 新型コロナウイルスの話題で持ちきりだった今年6月、それとは別の“あるウイルス”を巡るニュースが流れた。

 ヒトヘルペス6(HHV-6)という身近なウイルスが、鬱(うつ)病を引き起こしていることを突き止めた-というニュースだ。

 誰もが赤ちゃんのうちに突発性発疹を引き起こし、その後自然に治癒する。この時に感染するのがHHV-6なのだ。このウイルスは、発疹が治った後も症状を起こすことなく潜伏感染し続ける。

 HHV-6は疲労した時に唾液中に出てくる。その一部が鼻腔から脳に移ってSITH-1という遺伝子を出し、これがストレスを増強することで鬱病の発症に関与していることが明らかになった。この研究のリーダーが東京慈恵会医科大学ウイルス学教授の近藤一博医師。

 「もともと高い志を持って医学部に入ったわけではないんです(笑)」

 大学4年生の時に突然、研究の面白さに取りつかれた。卒業後、ヘルペスウイルスのワクチン作成に世界で唯一成功した故高橋理明・大阪大学名誉教授の門を叩く。以来35年間、ウイルスと向き合う研究に没頭してきた。

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