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【中原英臣 あの医療情報ウソ?ホント!】健康な人に打つワクチンこそ高い安全性の追求が必要

 9月8日、イギリスのアストラゼネカ社が最終段階に入っていた開発中の新型コロナウイルスに対するワクチンの臨床試験を一時的に中断すると発表したことを受けて、日本でも行われていた臨床試験が中断されました。

 アストラゼネカ社は臨床試験中の被験者に原因不明の症状がでたためと説明しましたが、『ニューヨーク・タイムズ』は被験者が横断性脊髄炎を発症したための中止と報道しました。横断性脊髄炎というのは、上下肢の筋力低下、感覚低下、膀胱直腸障害などが起きる病気です。

 日本では政府がアストラゼネカ社から1億2000万人分のワクチンの供給を受けることを決めていることもあって、テレビなどのマスコミが大きく報道しました。アストラゼネカ社はこの被検者の症状が回復したことから臨床試験を再開していますが、7月にも被検者が多発性硬化症と診断されたために臨床試験を中断しています。

 現在のところ、こうした被検者の症状と開発中のワクチンの因果関係は不明ですが、医薬品の一種であるワクチンには副作用がつきものです。最近では副作用のことを治療薬の副作用と区別して「副反応」と呼んでいるようです。

 多くの日本人が接種しているインフルエンザのワクチンでさえ発熱、頭痛、下痢、倦怠(けんたい)感、めまい、嘔吐(おうと)などの副作用があり、さらに重い副作用としてアナフィラキシーショック、ギランバレー症候群、急性脳脊髄膜炎、肝障害などがあります。

 ワクチンは健康な人に接種するものですから、病人に使用する治療薬よりも高い安全性が求められます。東京オリンピックのためにワクチンに期待がかけられていますが、あまり前のめりになるのは危険です。

 アメリカの世論調査では3人に1人が接種しないと回答しています。私たち日本人も副作用のことを考えたうえで、新型コロナウイルスのワクチンを接種することが必要と思われます。

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