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【コロナ禍のがん闘病記~ステージIVからの生還】薬物療法が尽きる局面が到来しつつあったとき…「サルベージ手術」の提案でがん切除に道 (1/2ページ)

 今年の7月、ステージIVの肺がん患者、吉仲勇さん(68)=東京都江戸川区=に浮上した緩和ケアの選択肢。2016年1月にがん研有明病院(江東区)でがんと診断されてから、4年余りも生き延びてきた。野球の継投のようにいくつもの薬物療法をつないできた賜物だが、それも尽きる局面が到来しつつあった。

 「余命はどのくらい? 緩和ケアの施設はどこにあるのか?」と家族に不安が広がった。

 がん研での診察に同席した次女の摩希子さんが思いついたのは「自分の免疫でがんを治すことはできないのですか」というアイデア。父を瀬戸際から何とか救いたい一心からだ。

 しかし、主治医の答えは「すでに免疫チェックポイント阻害剤による治療は終了しています。いまは他にお勧めできる免疫治療はありません」だった。

 「いつも診察には家族も立ち会うのですが、父がいるところでは、『緩和ケアっていつからですか』とか、『もう望みはないのですか』とか突っ込んだ質問は先生にしづらい。はっきりしたことが分からず、私たち家族はしばらくの間、悶々として過ごしていました」(摩希子さん)

 今年の春、異常な高熱が出るなどして危篤状態に。新型コロナ禍にありながら、同病院は救急搬送を受け入れ、医師らは防護服などで厳格な感染予防策を施し、緊急治療を行った。それが奏功して生還した。その後3カ月間、医師らのフォローがあって悪化せずに過ごしてきたが…。

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