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【ここまで進んだ最新治療】がんの苦痛を和らげる「緩和医療」にも効果期待 「IVR(画像下治療)」 (1/2ページ)

 放射線科医が主体になって行う治療法の1つに「IVR(画像下治療)」がある。X腺やCT、超音波などで体内を透視した画像を見ながら、カテーテル(細い管)や針を用いて治療する。傷が小さく、患者の体の負担が少ないのが特徴だ。

 治療の対象は脳動脈瘤から大動脈瘤、血管閉塞、良性・悪性腫瘍、血管奇形など多岐にわたる。しかし、がんの苦痛を和らげる「緩和医療」にも大きな効果が期待できることは、医療者にもあまり知られていない。国立がん研究センター中央病院・IVRセンター(放射線診断科)の曽根美雪センター長が説明する。

 「がん医療では、腫瘍そのものの『治療』、症状の『緩和』、治療の副作用に対する『支持療法』にIVRを用いることができます。当院では年間約6500件のIVRを行っていますが、うち緩和・支持療法のIVRが3分の1を占めます。しかし、日本IVR学会が認定する専門医は、まだ全国に1000人ほどしかいないので、がんの緩和医療に十分活用されていないのが現状です」

 がんの疼痛緩和では、通常はオピオイド(医療用麻薬)などの鎮痛薬を使った薬物療法が行われる。緩和IVRの場合は、たとえばこうだ。膵臓(すいぞう)がんや胃がんなどで腹部の痛みが強いときには「内臓神経ブロック」を行う。背骨の近くに針を刺して、脊髄に痛みを伝えている内臓神経という部分に薬剤を注入する。薬物療法より鎮痛効果が高く、効果は6カ月くらい持続するという。

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