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【マンガ探偵局がゆく】叔母に借りて勇気づけられたマンガ 少女マンガのヒロイン像を変えた『ユカをよぶ海』 (1/2ページ)

 マンガには人を元気づける力があることを再認識させてくれる依頼だ。

 「小学生時代に、マンガ好きだった叔母が借してくれたマンガを探してください。叔母と私は10歳くらいしか離れていなくて、姉妹のような関係でした。落ち込んでいた私に叔母が渡してくれたのが、題名は忘れましたが、海辺の町を舞台に私と同じユカという名の活発な女の子が登場するマンガの本です。読んで『女だって言いたいことを言っていいし、男子と喧嘩してもいいんだ』と考えるようになったことが、いまでも心の支えです。叔母は2年前に病気で亡りましたが、コロナ禍で不安な私にあのマンガがもう一度、勇気をくれる気がするのです」(優香・美容室経営)

 

依頼の内容から、探しているのはちばてつやが講談社の月刊誌「少女クラブ」で1959年から60年にかけて連載した『ユカをよぶ海』で間違いないだろう。

56年、貸本マンガでデビューしたちばてつやは、58年に集英社の月刊誌「少女ブック」の短編「舞踏会の少女」で雑誌デビューを飾り、同誌で『オデット城のにじ』、「少女クラブ」で『ママのバイオリン』を並行して連載するようになった。その後、講談社専属になったちばが「少女クラブ」の連載第2作として発表したのが『ユカをよぶ海』だった。

画家の父が勉強のためにフランスに渡り、母を病気で失った孤独な少女・橘ユカが主人公。両親と育った海辺の廃屋で父を待とうとする彼女を町のワルガキたちは目の敵に。しかし、勇気を持って立ち向かってくる彼女にやがて彼らも一目置くようになる。

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