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【マンガ探偵局がゆく】昭和の東京下町を体験できるマンガ 頑固バアさんが町の問題を解決『垣根の魔女』 (1/2ページ)

 今回の依頼人は学校の先生だ。今年は本当にご苦労様。

 「小学校の教員です。今春、卒業から40年ぶりに母校に赴任しました。とはいえ、学校は20年くらい前に統合されて、校名も校舎も変わり、周辺もタワーマンションやビルが立ち並んでかつて遊んだ路地も商店街も残ってません。前任校では、マンガを読まない子供たちにマンガ好きになってもらう取り組みを続けていたのですが、今度は私が通っていた時代の東京下町をマンガで体験してもらいたいな、と考えています。おすすめのマンガはありますか?」 (元ガキ大将)

 依頼を読んで、なにより驚いたのは小学校でマンガを読まない子供をマンガ好きにする取り組みがある、ということ。探偵長の小学校時代は、親も先生もマンガを読ませないように取り組んでいたのに、これも時代の流れなのか。

 さて、40年前の1980年といえばバブル景気の前夜。まだ東京にも昭和の下町がいくらか残っていた時代だ。とはいえ、日本は名目GDP世界2位の経済大国になり、昭和30年代の日本人が貧しさの向こう側に夢を見ていた頃とは下町の人情も違っていた。他人には関わらない、関わってほしくないという、1970年代に郊外の団地などで当たり前になっていた個人主義的意識が、下町の人々の中にも芽生えていたのだ。

 そんな家と家、人と人の間に作られつつあった垣根を乗り越えて現れるおせっかいバアさんの活躍を描いたマンガを依頼人におすすめしたいと思う。

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